4団体統一スーパーバンタム級王座を防衛した井上尚弥(31=大橋)が今夏、IBF&WBO世界同級1位サム・グッドマン(25=オーストラリア)との防衛戦に臨むことが6日、決定的となった。関係者によれば、既に両陣営間の交渉は始まっており、グッドマン陣営も年内の井上尚挑戦を希望。そして、ルイス・ネリに6回TKO勝利を収めた後、尚弥がリング上で自ら言及した。

「次戦は9月ごろ、隣にいるグッドマン選手と防衛戦をしたい。これから交渉していきたい」

オーストラリアから東京ドームに“敵情視察”で生観戦に訪れ、リング上に招き上げられたグッドマンも「ベルトが欲しくて、ここまで戦ってきた。絶対にやりましょう」と応じた。

今回、井上がネリ戦をクリアしたことで、対戦交渉は一気に進みそうだ。井上陣営は首都圏の会場を確保しており、日本開催になる見込みとも判明した。

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州出身のグッドマンはアマ時代、バンタム級で世界ユース3位やオセアニア選手権Vなどの実績を持つ。18年4月にプロ転向し、スーパーバンタム級では日本未公認のWBOオリエンタル王座、IBFインターコンチネンタル王座を獲得。22年には現日本バンタム級王者富施郁哉(25=ワタナベ)にも勝利し、23年3月には元世界王者のTJ・ドヘニー(37=アイルランド)にも判定勝ちを収めている実力者となる。

井上は17年以来、約7年ぶりとなる年間3試合を希望している。来年以降もスーパーバンタム級を主戦場に元世界王者、世界王者クラスの強敵を迎え撃つ防衛戦に意欲を示している。25歳で18戦8KO無敗のグッドマンの経歴、実力は十分だ。4団体統一王者の次期挑戦者として申し分ない存在となるだけに、対戦交渉は順調に進むとみられる。

試合に先駆けて、グッドマンは自身のX(旧ツイッター)に、こうも投稿していた。

「Inoue by KO between rounds 4-7. Watching and waiting I want next」

すなわち「4~7ラウンドで井上がKO勝ちすると思って観戦する。次の相手として待っているよ」と、将来的な初対戦をにおわせつつ、ビッグエッグ内で撮影した写真を添えていた。

◆井上尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日、神奈川・座間市生まれ。元アマ選手の父真吾氏の影響で小学1年から競技を開始。高校時代にアマ7冠。12年7月にプロ転向。14年4月、6戦目でWBC世界ライトフライ級王座を奪取。14年12月、8戦目でWBO世界スーパーフライ級王座を獲得し2階級制覇。18年5月、16戦目でWBA世界バンタム級王座を獲得し3階級制覇。19年5月にIBF同級王座、同年11月、WBSS同級制覇。22年12月、史上9人目、アジア初の4団体統一王者に。23年7月にWBC、WBO世界スーパーバンタム級王座を獲得し、4階級制覇。同12月には史上2人目の2階級での4団体統一に成功。身長164・5センチの右ボクサーファイター。

【ボクシング】井上尚弥が日本人初4団体統一王者として防衛成功 ネリを6回TKO/ライブ詳細